ダイエットを始めるにあたって「アンダーカロリー」という言葉をよく耳にしますよね。
摂取カロリーを減らすだけではなく、身体の仕組みを理解すると、無理なく続けられる習慣になります。
ここでは「何から」「どうやって」を具体的に解説します。
アンダーカロリーとは
日常生活で消費するカロリーよりも、摂取カロリーを少なくする状態を指します。
エネルギー収支を赤字にすることで、蓄積された脂肪を燃焼に回すのが基本です。
消費カロリーの内訳を理解する
TDEE(1日の総消費カロリー)とは
あなたが1日にどれだけカロリーを使っているかを示す指標です。
TDEE=基礎代謝(BMR)+食事誘発性熱産生(TEF)+非運動性活動熱産生(NEAT)+運動誘発性活動代謝(EAT)で構成され、
この合計値を把握することで「摂取カロリーをどこまで減らせばアンダーカロリーになるか」が明確になります。
基礎代謝量(BMR)
心臓を動かす 呼吸をする 体温を保つなど
何もしなくても消費される最低限のエネルギーです。
筋肉量や体重が多いほど高くなります。
基礎代謝量の計算は外部のツールをご利用ください。
▶ 基礎代謝量を計算する(外部サイト)
※食事制限を行う際は、どれだけ絞っても基礎代謝量を下回る摂取は避けましょう。
身体が省エネモードになり、かえって痩せにくくなる可能性があります。
食事誘発性熱産生(TEF)
食べたものを消化・吸収・代謝する過程で消費されるエネルギーです。
摂取カロリーの約10%がこの過程で消費されるとされています。
非運動性活動熱産生(NEAT)
無意識に行う動作(歩行・家事・姿勢維持など)による消費です。
意識して増やすだけで、TDEEが大きく変わります。
運動誘発性活動代謝(EAT)
ウォーキングや筋トレなど
計画的な運動によって追加で消費されるエネルギーです。
動種目 | MET値 | 60kgの人が10分間行ったときの消費kcal(目安) |
---|---|---|
散歩(速歩:約5km/h) | 3.5 | 3.5×60×3.5÷200≒37kcal |
ジョギング(8km/h) | 7.0 | 7.0×60×3.5÷200≒74kcal |
サイクリング(平地、16–19km/h) | 4.0 | 4.0×60×3.5÷200≒42kcal |
スクワット(ゆっくりペース) | 5.0 | 5.0×60×3.5÷200≒52kcal |
プランク(アイソメトリック) | 3.8 | 3.8×60×3.5÷200×10≒40kcal |
ヨガ(ハタヨガなど中等度) | 2.5 | 2.5×60×3.5÷200×10≒26kcal |
HIIT(タバタ式など高強度) | 8.0 | 8.0×60×3.5÷200×10≒85kcal |
- MET値:安静時代謝を1としたときの運動強度
- 消費kcal目安:MET×体重(kg)×3.5÷200×運動時間(分) で算出
TDEEを計算する
上記の式は正確ですが手間がかかり管理が大変です。
ここでは日常的に使える簡易計算を3つ紹介します。
方法①:活動レベル係数を掛ける
基礎代謝量に日常の活動レベル係数(1.2~1.7)を掛けて総消費量を算出します。
手軽で初心者向けです。
以下の表で、活動レベル係数をまとめました。TDEEを計算するときの目安にしてください。
活動レベル | 説明 | 活動レベル係数 |
運動ほぼなし | デスクワーク中心で運動習慣がない | 1.2 |
軽い運動あり | 週1〜3回程度、軽いウォーキングやストレッチなど | 1.375 |
中程度の運動あり | 週3〜5回程度、ジョギングや軽い筋トレなど | 1.55 |
激しい運動あり | 毎日トレーニングを行う | 1.725 |
非常に激しい運動あり | アスリートレベルのハードトレーニング | 1.9 |
方法②:トークテストで運動強度を見積もる
運動中に会話を試み息づかいで強度を推測する方法です。
余裕をもってしゃべれるときは10分あたり約30kcal
少し息が上がりしゃべりづらいときは約50kcal
会話が難しいときは約100kcal
機器がなくても手軽に「だいたいこれくらい」 が把握できます。
方法③:スマートウォッチ活用する
スマートウォッチとスマホを連携すると
日々の消費カロリーが自動で記録されます。
以下は僕が1ヶ月間記録した画面例です。
1日の平均消費カロリーは883kcalとわかるので
この値に基礎代謝量をプラスすると
あなたのTDEEがざっくり算出できます。

摂取カロリーはアトウォーター係数で把握する
糖質・たんぱく質が1gあたり4kcal、脂質が9kcalという基本数値を押さえましょう。
食品ラベルを見て、自分で計算する力が身につきます。
とはいえ、アプリ記録の方が圧倒的に効率的です。
安全に取り組むための制限目安
TDEEから摂取カロリーを差し引いた値が、TDEEの10~20%になるように調整しましょう。
この範囲を目安に摂取量を調整すると、無理なくダイエットを続けやすいです。
体脂肪1kg減少には約7,700kcalの赤字が必要です。
極端な制限は身体機能の低下やリバウンドの原因になるため注意してください。
停滞期を乗り越える戦略
プラトー(停滞)のメカニズム
身体が新しいエネルギー収支に慣れると、変化が鈍化します。
リフィードデイの活用
週に1回ほど摂取カロリーをTDEEまで戻す日を設けると
ホルモンバランスが整い、停滞が緩和されやすくなります。
習慣の小さな見直し
新しい運動を1つ取り入れる
食事の組み合わせを変えて満足度を高める
日々の工夫が長期継続のカギです。
効率化と習慣化のコツ
おすすめアプリ比較
項目 | MyFitnessPal | あすけん | カロミル |
無料版の 主な機能 | 食事・運動の記録 基本的なカロリー PFC表示 | 食事記録アドバイス表示 (AIコーチ機能) | 食事・運動の記録 体組成連携 |
有料版の 追加機能 | 目標マクロ設定 食事プラン提案 広告非表示 | 栄養素詳細分析 専門家への相談 | 詳細グラフ分析 食事アドバイス |
食品 データベース | 世界最大級 (600万件以上) | 日本食中心 (20万件以上) | 日本食+海外食品 (30万件以上) |
バーコード 読み取り | ○ | ○ | ○ |
PFC管理 | ○ | ○ | ○ |
レシピ 自動解析 | ○ | ○ | ○ |
SNS/コミュニティ | フォーラムあり | なし | 投稿機能あり |
プラットフォーム | iOS/Android/Web | iOS/Android | iOS/Android |
UI言語 | 多言語(日本語含む) | 日本語 | 日本語 |
- 無料版の主な機能:まずはここを比較して、自分が「使いやすそう」と感じるUIかを確認
- 有料版の追加機能:必要なら投資する価値があるかを判断
- 食品データベース:手元の食材や外食メニューが見つかりやすいか
- バーコード読み取り:パッケージ食品の記録がラクかどうか
- PFC管理:たんぱく質・脂質・炭水化物を細かく管理できるか
- レシピ自動解析:自作メニューの栄養素を自動で出せるか
- SNS/コミュニティ:モチベ維持のための仲間機能があるか
- プラットフォーム/UI言語:自分の使う端末や言語に対応しているか
この比較表を参考に、ご自身のダイエット管理スタイルに最も合うアプリを選んでみてください!
ミールプレップで時短
「ミールプレップ(Meal Prep)」とは、「Meal(食事)」と「Prep(準備)」を組み合わせた言葉で、1週間分の食事をまとめて下ごしらえ・調理し、保存しておく手法のことです。
平日の忙しいときに手軽に栄養バランスの整った食事をとれるようにするのが目的です。
メリット
- 時間の節約
週末など余裕のある日に一度に調理しておくことで、平日の調理時間を大幅に短縮できます。 - 栄養管理の徹底
あらかじめ食材と分量を決めて調理するので、PFCバランスやカロリーが把握しやすくなります。 - コスト削減・食品ロス減
まとめ買い・まとめ調理で食材を無駄なく使い切れ、外食や中食の利用頻度も下がります。
基本的な手順
- 温めるだけで食べる
平日は電子レンジやトースターで温めるだけでOKです。 - メニューを計画する
週に必要な食事の品目と量をリストアップします。 - まとめて調理する
鶏むね肉や魚、野菜などを一度に下ごしらえ・加熱調理します。 - 小分けに保存する
冷蔵・冷凍可能な容器に1食分ずつ分けて入れます。
ミールプレップを取り入れると、忙しい平日でも手軽に健康的な食事を続けやすくなります。まずは1〜2種類のメニューから試してみてください。
よくある失敗と回避策
□記録漏れでカロリー超過
□外食時の見落とし
□過度な有酸素依存
それぞれの対処法を知っておくと安心です。
まとめ
- アンダーカロリーの定義と消費カロリー構成を理解する
- TDEE計算とアトウォーター係数を押さえた実践手順を習得する
- 安全な制限幅・停滞期対策・ツール活用で長期継続を支える
アンダーカロリーはカロリー収支の基本を押さえた上でこそ効果を発揮します。
まずはTDEEを計算し、アプリで記録を始めてみましょう。
あなたのダイエット成功を応援しています。