運動は大切だと分かっていても、なかなか始められない。
忙しい毎日の中で、運動する時間を作るのは難しいと感じていませんか?
そんなあなたにこそ試してほしいのが「ながら運動」です。
特別な時間や場所は必要ありません。
なぜ「ながら運動」が最適なのか?
運動が苦手な方や、これまで運動が続かなかったという方は少なくありません。
ジムに通うのはハードルが高いと感じたり、まとまった時間を確保するのが難しいと感じたりする方もいらっしゃるでしょう。
しかし、健康的な身体を維持するためには、適度な運動が不可欠です。
心理的ハードルが低い
「ながら運動」は、日常生活の隙間時間を活用するため、運動への心理的なハードルを大きく下げることができます。
例えば、歯磨き中やテレビを見ている間、通勤中など、普段何気なく過ごしている時間を有効活用するのです。
これにより、運動を「特別なこと」として捉えるのではなく、「日常の一部」として自然に取り入れることが可能になります。
動かないままで過ごすリスクは見逃せない
座りっぱなしの生活は、血行不良や代謝の低下を招き、肩こりや腰痛、さらには生活習慣病のリスクを高めることが知られています。
しかし、ほんの少しの「ながら運動」でも、身体を動かすことで血流が促進され、筋肉が活性化されます。
少しだけでもリスクを避けれるなら動かさないでいる理由はありません。
「ながら運動」が身体に効くメカニズム
「ながら運動」は、単に身体を動かすだけでなく、身体のメカニズムに基づいた効果が期待できます。
柔道整復師の視点から、なぜ「ながら運動」が身体に良い影響を与えるのかを解説します。
運動すること自体のメリットが大きい
私たちの身体は、動かすことで血流が促進され、酸素や栄養が全身に行き渡ります。
特に、長時間同じ姿勢でいると、筋肉が硬くなり、血流が悪化しがちです。
「ながら運動」でこまめに身体を動かすことは、この血流の滞りを改善し、筋肉の柔軟性を保つ上で非常に有効です。
例えば、ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、下半身の血液を心臓に戻すポンプの役割を担っています。
歯磨き中にかかとを上げ下げする運動は、このふくらはぎの筋肉を刺激し、全身の血行促進に繋がります。
また、デスクワーク中に肩甲骨を動かす運動は、肩周りの血流を改善し、肩こりの軽減に役立ちます。
このように、「ながら運動」は、特定の筋肉を意識的に動かすことで、その部位の血流を改善し、筋肉の機能を高める効果が期待できます。
小さな動きでも、継続することで身体全体のバランスが整い、姿勢の改善や痛みの軽減にも繋がるのです。
クセの改善も期待できる
「ながら運動」の運動内容を工夫することで、クセを改善し、お悩みの症状も改善できるかもしれません。
例えば、肩をすくめてしまい、猫背になるクセ。
これは、肩こりにも腰痛にもなりやすいクセです。
このクセを持っている限り、症状がどうしても起きやすいので、このクセを治すような「ながら運動」をすることで、自分でも「症状を繰り返す原因」に直接にアプローチすることができます。
これが本当の根本治療ではないでしょうか?
今日からできる!無理なく続く「ながら運動」の例
日常生活の様々なシーンで、手軽に実践できる「ながら運動」をご紹介します。正しいフォームを意識することで、より効果を高め、怪我のリスクを減らすことができます。
デスクワーク中にこっそりできる!肩こり・腰痛対策ながら運動
長時間座りっぱなしのデスクワークは、肩こりや腰痛の大きな原因となります。座ったままでもできる簡単な運動で、身体の負担を軽減しましょう。
- 肩を下げる運動
- 椅子に座ったまま、両腕を外側に捻れるだけ捻り、捻れなくなってもさらに捻る意識をします。
- その状態で肩甲骨を寄せると、本来寄せられる肩甲骨を寄せることができません。
- 寄せれないけど寄せれば、寄せるほど、背中の筋肉が活性化します。
背中の筋肉を活性化させるだけでも、つらい肩こりが緩和することがあります。
- 座ったままの骨盤体操
- 椅子に浅く座り、骨盤を前後にゆっくりと傾けます。
- 腰が反りすぎたり、丸まりすぎたりしないように動かしましょう。
- さきほどの、肩を下げて背中を活性化させた状態で、骨盤を後ろに転がすと本来、丸まる動きが丸まれません。
- 丸まれないけど、丸めようとするほど、お腹の筋肉も活性化します。
自然と良い姿勢になり、練習すればするほど良い姿勢のクセを身に着けることができます。
家事の合間に!効率よく身体を動かすながら運動
家事は立ったり座ったり、身体を動かす機会が多いものです。
これらの動作を意識的に行うことで、効率よく運動を取り入れることができます。
- 背中と腹筋に力を込めながら掃除機をかける
- 寄せれないけど寄せ続ける、丸まれないけど、骨盤から丸まり続けるを意識して掃除機をかけます。
- かかと上げ下げ(皿洗いをしながら)
- シンクに立ちながら、つま先を上げたり、下げたりします。
- すねの筋肉が疲れたらうまくできています。片方ずつでもOKです。
応用でかかと重心も練習してみましょう。
▶前重心が不調のもと?『かかと重心』で姿勢改善&腰痛予防を目指そう!
テレビを見ながら!リラックスしながらできるながら運動
テレビを見ている時間は、リラックスしながら運動を取り入れる絶好の機会です。
- 足上げ腹筋(ソファに座って)
- ソファに座り、両足を揃えてゆっくりと持ち上げ、数秒キープします。
- お腹の筋肉を意識して、腰が反らないように注意しましょう。
- バタ足でただ動かすのもいい運動になります。
- ストレッチ(CM中に)
- CM中に、肩や首、股関節など、凝りやすい部分のストレッチを行います。
- 無理のない範囲で、気持ち良いと感じる程度に伸ばしましょう。
歯磨き中や通勤中に!隙間時間を活用するながら運動
わずかな隙間時間でも、意識すれば運動は可能です。
- 片足立ち(歯磨き中)
- 歯磨き中に片足で立ち、バランスを取ります。
- 左右交互に行い、体幹を意識しましょう。
- つま先立ち(電車待ちや信号待ち)
- 電車を待っている間や信号待ちの間に、つま先立ちを繰り返します。
- ふくらはぎの引き締めにも効果的です。
「ながら運動」を習慣化する3つの秘訣
「ながら運動」は手軽ですが、継続するためにはちょっとしたコツが必要です。三日坊主で終わらせないための秘訣をご紹介します。
秘訣1:完璧を目指さない「ゆるい目標設定」
運動を始める際、「毎日30分運動する」「週に3回ジムに行く」といった高い目標を設定しがちです。
しかし、これが挫折の原因となることも少なくありません。
「ながら運動」では、「完璧」を目指す必要はありません。
例えば、「今日は歯磨き中に片足立ちを1分だけやってみよう」「テレビのCM中に肩回しをしてみよう」といった、ごく小さな目標から始めてみましょう。
小さな「できた!」を積み重ねることで、達成感が得られ、モチベーションの維持に繋がります。
無理なく続けられる範囲で、少しずつ運動量を増やしていくことが大切です。
1分が長くて嫌なら、10秒の運動をたくさん増やすことを意識しましょう。
秘訣2:行動の「トリガー」を見つける
習慣化には、「トリガー(きっかけ)」を設定することが有効です。既存の習慣に「ながら運動」を紐づけることで、意識せずに行動できるようにするのです。
例えば、「朝起きて顔を洗ったら、ついでにふくらはぎのストレッチをする」「お風呂に入ったら、湯船の中で足首を回す」など、すでに習慣になっている行動の後に「ながら運動」を組み込んでみましょう。これにより、運動を「やらなければならないこと」ではなく、「いつもの流れ」として自然に身体が動くようになります。
秘訣3:小さな「できた!」を記録する
運動の記録は、モチベーション維持に非常に効果的です。
毎日、どんな「ながら運動」を、どのくらい行ったかを簡単に記録してみましょう。
手帳にメモする、スマートフォンのメモアプリを使う、カレンダーに印をつけるなど、方法は問いません。
記録することで、自分の頑張りが可視化され、「これだけできた!」という達成感を味わうことができます。
また、記録を見返すことで、自分の運動習慣を客観的に把握し、次の目標設定にも役立てることができます。
まとめ
- 運動嫌いでも「ながら運動」なら無理なく始められる
- 日常生活の隙間時間を活用し、運動へのハードルを下げて継続しやすい。
- 柔道整復師が解説する身体に効くメカニズム
- 血流促進や筋肉の活性化など、身体のメカニズムに基づいた効果が期待できる。
- 無理なく続く「ながら運動」を習慣化する3つの秘訣
- 完璧を目指さない「ゆるい目標設定」、行動の「トリガー」を見つける、小さな「できた!」を記録する。
運動は、健康的な生活を送る上で欠かせない要素ですが、無理をして続ける必要はありません。
「ながら運動」は、あなたのライフスタイルに寄り添い、無理なく健康習慣を身につけるための強力な味方となるでしょう。
今日からできる小さな一歩から始めてみませんか?
あなたの身体は、きっとその変化に喜んでくれるはずです。
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