ダイエットのために筋トレをはじめたけど、なかなか痩せない…ということはありませんか?
ダイエットのための運動は目的に応じて運動を選ばないとなかなか効果が出づらいです。
「頑張っているのに変化が少ない。」という状態が続くと頑張る気持ちもなくなってしまいます。
そのようなことにならないために、この記事では、ダイエット目的で始める運動を大きく3つのカテゴリに分けて目的に応じて使い分けられるように解説していきます。
ダイエット目的の運動の種類
ダイエット目的の運動では、主に以下の3つの目的に分けることができます。
- 基礎代謝を向上させる運動
- 身体を引き締める運動
- 脂肪を燃焼する運動
1.基礎代謝を向上させる運動
基礎代謝とは、1日に何もしていなくても消費されるカロリーのことです。
身体は、寝ていても、座っていても、心臓や肺などの内臓や姿勢の維持などで常に活動しているため、その維持に必要なエネルギーです。
体重や筋肉量が増えても基礎代謝は増えるので、筋肉量を増やす筋トレがこれに当たります。
筋肉量を増やすためには、10回できるかどうかギリギリの負荷で2~5セットで行うことが効率がいいとされています。
ボリュームが増えてほしい部位(男性なら胸、もも、女性ならお尻など)を狙って筋肉量を増やし基礎代謝を増やしましょう。
基礎代謝が上がれば上がるほど楽に瘦せることができますが、変化のしやすさは後に解説する脂肪を燃焼する運動と比べるとイマイチです。
2.身体を引き締める運動
一番見た目の変化に即効性があります。身体を引き締めるために重要なキーワードは「使用頻度」です。
例えば、下っ腹を引き締めるのであれば、下っ腹を持ち上げるように腹筋を使い、脚を引き締めたいなら内ももの筋肉をたくさん使いましょう。
回数を多く繰り返していると身体がその筋肉の使い方を覚えて適度な緊張が生まれます。
それによって実際には瘦せていなくとも身体が引き締まったように見えます。
脚痩せトレで有名な「足パカ運動」や「カエル足運動」はこれに当たります。
日常生活動作でなかなか使えていない筋肉ほど効果が大きいですが、効果がでたからといってやめてしまうとすぐに元に戻ってしまいます。
あくまでも引き締まって「痩せて見える」効果であり、実際に脂肪はあまり落ちません。
3.脂肪を燃焼する運動
実際に痩せる運動はこれです。
脂肪燃焼するためには、「心拍数」についてよく知っておかなければいけません。
なぜなら、心拍数の範囲を表す言葉の中に「脂肪燃焼ゾーン」というものがあるほど。実は、脂肪燃焼と心拍数には強い結びつきがあります。
心拍数とは?
心拍数とは、あなたの心臓が1分間に何回鼓動しているかを示す「身体の稼働状態」を表す指標です。
一般的なポイントをまとめると
- 安静時心拍数: 多くの成人で60~100拍/分が標準です。
- 運動時: 活動やストレスにより心拍数は上昇し、最大心拍数(大体「220-年齢」)に近づくこともあります。
- 個人差: 年齢、体調、運動習慣などで異なり、アスリートは安静時でも低めの場合が多いです。
心拍数は単なる数字ではなく、運動の強度を客観的に把握するための重要な指標です。これを理解することで、以下のように運動強度とエネルギー消費の仕組みをつなげることができます。
心拍数と運動強度の関係
運動中、体は必要なエネルギーを得るために、心臓がより多くの血液を送り出します。
心拍数が上がるほど運動強度は高くなり、「安静時」「低強度」「中強度」「高強度」といった段階で数値的に表現できます。
エネルギー源との関連
低強度運動(最高心拍数の約60~70%)
このゾーンは「脂肪燃焼ゾーン」とも呼ばれ、体内の脂肪を主なエネルギー源として利用します。脂肪は酸素を必要とするため、有酸素運動として分類され、長時間の運動に適しています。
中強度運動(最高心拍数の約70~80%)
有酸素運動として心肺機能を向上させ、脂肪と炭水化物の両方がエネルギー源として使われます。持久力の向上や体力アップに効果的です。
高強度運動(最高心拍数の心拍数80%以上)
短時間で大量のエネルギーを必要とするため、無酸素運動の要素が強くなります。炭水化物が主なエネルギー源となり、筋力やパワーの向上を目指す運動に適しています。
痩せない理由は息切れ不足?
筋トレしてるのに痩せない理由は、脂肪を燃焼する運動ではなく、基礎代謝をあげる運動や身体を引き締める運動ばかりしていたからではないでしょうか?
基礎代謝をあげる運動は、筋肉量を増やすことが重要です。
筋肉は脂肪よりも重いため、体重の大きな変化はあまり期待できません。
身体を引き締める運動は、体重を減らすのではなく身体をコントロールして痩せてみえるテクニックを上達させる運動です。
直接的な体重の変化は期待できません。
脂肪燃焼する運動は、心拍数が鍵です。
心拍数をあげるほどの運動、つまり息切れするような運動をどれだけ取り組んでいるかが重要です。
脂肪燃焼させる具体的な運動とは?
このように脂肪燃焼ゾーンに当たる時間を24時間中にどのくらい作ることができるかが脂肪燃焼のカギとなります。
ランニング
最も手軽で簡単な方法のうちのひとつです。
「走るのは絶対に嫌だ。」という人も多いかもしれませんが、簡単に心拍数をあげることができます。
実際に消費するカロリーは30分ごとにおよそ200~300kcal。(体重や走る速度によって変わります)
なわとび
なわとびも簡単に心拍数をあげることができます。
実際に消費するカロリーはランニングよりも10%くらいkcalの消費が多いためオススメです。
二重とびは心拍数をあげやすいですが、脚が太くなる可能性もあるため、かけ足とびや前振りとびで早めのテンポで飛べるようにしましょう。
なわとびトレーニング例
①ウォームアップ(5分):ゆっくりとした軽いとび
②メインセット(15分)
- 30秒~1分間 かけ足とび
- 30秒~1分間 休憩
- これを8~12回繰り返す
③クールダウン(5分):ゆっくりとした軽いとびorその場で足踏み
▶なわとびダイエットで本当に痩せる?脚が太くならない跳び方も徹底解説
時間がない人の脂肪燃焼
時間が少ない人には、HIITトレーニングがオススメです。
HIITとは、「高強度インターバルトレーニング」のことを指します。
4分間でできるHIIT「タバタトレーニング」が自宅でも取り組みやすいのでオススメです。
高強度の運動なので、とても疲れるし息も切れますが、4分間さえ頑張ればその後の心拍数があがりやすくなり、家事や通勤などが身体にとっては、軽いジョギングしているような状態になります。
1日のはじめに「息切れ」と意識するだけでも効率的に脂肪を燃やすことができます。
タバタトレーニング詳細
- 各運動20秒間全力
- 10秒間休憩
- 以下の運動を交互に実施(2周)
1.バーピージャンプ
2.スクワット
3.ニーアップ(その場でもも上げ)
4.マウンテンクライマー(腕立て伏せのような姿勢で足踏み)
▶脂肪燃焼を加速させるタバタトレーニングとは?4分間で効果的なダイエット習慣
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年齢別運動強度の目安
20代の運動強度
若さにあふれる身体は、高強度のトレーニングに最適な環境です。
推奨される運動強度:
① 最大心拍数の75~85%の運動を中心に組み立てる。
② 高強度インターバルトレーニング(HIIT)を週3~4回。
③ 筋力トレーニングと有酸素運動のバランスを意識する。
代謝が最も活発な時期だからこそ、多様な運動にチャレンジできます。
30代の運動強度
身体の変化を感じ始める重要な転換期です。
推奨される運動強度:
① 最大心拍数の65~75%の中強度トレーニング。
② 週2~3回の筋力維持プログラム。
③ 回復に必要な休息時間を確保する。
代謝の低下を意識し、効率的な運動計画が求められます。
40代の運動強度
身体の変化により慎重なアプローチが必要となります。
推奨される運動強度:
① 最大心拍数の60~70%の軽~中強度運動。
② ストレッチングと柔軟性トレーニングを重視。
③ 関節への負担を最小限に抑える低衝撃運動。
怪我のリスクを考慮しながら、持続可能な運動習慣を築きます。
50代以上の運動強度
健康維持と機能的フィットネスが最優先課題です。
推奨される運動強度:
① 最大心拍数の50~65%の低~中強度運動。
② 筋力維持とバランストレーニング。
③ ウォーキングや水中運動など関節に優しい運動。
安全性を最大限に考慮した運動プログラムが重要です。
持病がある方への注意点
慢性疾患や既往歴のある方は、運動開始前に医療専門家に相談することが絶対的に重要です。
注意すべき疾患別のポイント:
① 心臓疾患:運動強度と時間に特に注意。
② 糖尿病:血糖値の変動に留意。
③ 関節疾患:低衝撃運動を選択。
④ 呼吸器疾患:運動強度と環境に配慮。
個々の健康状態に応じた慎重なアプローチが求められます。
運動開始前の健康チェックリスト
安全な運動開始のために、以下の項目を確認しましょう。
健康チェック項目:
① 最近1年以内の健康診断結果を確認。
② かかりつけ医に相談し、運動許可を得る。
③ 現在服用中の薬の運動への影響を確認。
④ 家族の医療歴も考慮に入れる。
健康的で安全な運動の第一歩は、徹底した事前準備から始まります。
まとめ
- 基礎代謝向上の運動
筋トレで筋肉量を増やすことで、何もしていない時でも消費されるカロリー(基礎代謝)が上がり、結果的に痩せやすい体質を作ります。ただし、短期間での体重の変化は目立ちにくいかもしれません。 - 身体を引き締める運動
特定の部位に焦点を当てた低負荷の反復運動により、普段使われにくい筋肉が活性化され、見た目が引き締まります。継続して行うことで、安定した効果が得られます。 - 脂肪を燃焼する運動
脂肪燃焼ゾーン(最大心拍数の約60~70%)での有酸素運動により、効率的に体内の脂肪をエネルギーとして消費します。HIITなどの高強度インターバルトレーニングは、短時間で代謝を高める効果も期待でき、忙しい人にもおすすめです。
筋トレしてるのに痩せない本当の理由は目的が違う運動がメインだったから。
自分の目標や体調、ライフスタイルに合わせてこれらの運動をバランスよく組み合わせることで、無理なく効率よく持続可能なダイエットが実現できます。
食事管理と合わせて、安全かつ楽しく取り組んでいきましょう。