トリガーポイントとは?コリとトリガーポイントの違いとセルフケア方法を解説!

マッサージに行った直後は楽なのに、すぐに痛みがぶり返してしまうことはないですか。
肩が痛いからと一生懸命もんでみても、なんだかスッキリしない、そんな経験をお持ちの方も多いかもしれません。

そのしつこい痛みの原因は、実は一般的な「コリ」ではなく、「トリガーポイント」という少し厄介な存在のせいかもしれません。
この記事では、あなたの長年の悩みの“真犯人”かもしれないトリガーポイントの正体と、今日からご自身でできる簡単なケア方法を解説します。

もしかして、あなたのその痛みも「トリガーポイント」が原因…?

長引く痛みの原因は、痛いと感じる場所にあるとは限らないのです。
実は、痛みを引き起こす“引き金(トリガー)”が、別の場所に隠れていることがあります。
その引き金こそが、「トリガーポイント」なのです。

そもそも「トリガーポイント」って一体なに?

単なる「コリ」との決定的な違いって?

「トリガーポイント」と「コリ」、どちらも筋肉が硬くなった状態を指しますが、その正体と性質は全く異なります。
両者の違いを知ることが、つらい症状から抜け出すための第一歩になります。
下の表で、その違いを比べてみましょう。

項目一般的なコリトリガーポイント
正体筋肉の血行不良、疲労筋肉の線維が硬くなった“しこり”(索状硬結)
症状押すと痛い、重だるい押すと激しい痛みが響き、離れた場所にも痛みが走る
特徴温めたり動かすと楽になる関連痛を引き起こす、自律神経の乱れを伴うことも

「コリ」は血行不良、「トリガーポイント」は筋肉の“しこり”

一般的な「コリ」は、筋肉が疲労して血行が悪くなっている状態です。
一方、「トリガーポイント」は筋肉の線維の一部が酸欠状態になり、硬い“しこり”のように変化してしまったものです。
この“しこり”が、様々な不調の引き金となります。

一番やっかいな特徴!離れた場所に痛みを飛ばす「関連痛」とは

トリガーポイントが最も厄介なのは、痛みの原因となっている場所とは違う、離れた場所に痛みを引き起こす「関連痛」という現象です。
例えば、肩甲骨のあたりにあるトリガーポイントが、腕や指先のしびれの原因になっていることも少なくありません。
肩が痛いからと肩だけを揉んでも改善しなかったのは、これが理由かもしれませんね。

なぜトリガーポイントはできてしまうの?

では、なぜこんな厄介なものができてしまうのでしょうか。
主な原因は、筋肉への継続的な負担にあります。
日常生活の中に、その原因はたくさん潜んでいるのです。

長時間の同じ姿勢(デスクワーク・スマホ)

特定の筋肉にずっと負担がかかり続けることが、最大の原因です。

  • パソコンと向き合うデスクワーク
  • 首を傾けたままのスマートフォン操作
  • 長時間の車の運転
    このような姿勢は筋肉を緊張させ続け、血流を悪化させてトリガーポイントの形成を促してしまいます。

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意外な原因?ストレスや冷えも関係が

肉体的な負担だけでなく、精神的なストレスも無関係ではありません。
ストレスは無意識のうちに体を緊張させ、筋肉を硬くしてしまいます。
また、体の冷えも血行不良を招き、トリガーポイントの引き金となることがあるのです。

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自分でもできる!「トリガーポイント」を見つけてみよう

まずはセルフチェック!こんな症状は要注意

ご自身の症状がトリガーポイントによるものか、簡単なチェックリストで確認してみましょう。

  • いつも同じ場所が、ピンポイントでズキっと痛む
  • じっとしていても、重だるい鈍痛が続く
  • 痛みだけでなく、しびれやだるさを感じる
  • 腕や足など、痛みを感じる場所から離れたところまで症状が広がる感じがする

いくつか当てはまるようでしたら、トリガーポイントが隠れている可能性が高いですよ。

【実践】「そこそこ!」と響く場所を探すコツ

では、実際にあなたの体の中に隠れているかもしれない「トリガーポイント」を探してみましょう。
感覚を研ぎ澄まして、ゆっくり探すのがコツです。
焦らず、ご自身の体と対話するように行ってみてください。

指で優しく押してみよう

まずは指の腹を使って、痛みの震源地を探し当てていきましょう。

  1. リラックスできる楽な姿勢になります。
  2. 痛みが気になる場所の周辺を、人差し指や中指の腹でゆっくりと、深く押していきます。
  3. 周りと比べてひときわ硬く感じる小さな“しこり”や、「ズーン」と響くような痛みを感じる場所がないか探します。

この「響くような痛み」が、トリガーポイントである可能性を示すサインです。

「関連痛」が再現されたら、そこがあなたのトリガーポイントかも!

トリガーポイントを見つける最大のヒントは、「関連痛」を再現できるかどうかです。
ある場所を押したときに、いつも痛みやしびれを感じる離れた場所にまで、症状が広がる感覚はありませんか。
「そうそう、そこを押すと腕に響く!」と感じたら、そこがあなたの痛みを引き起こしている“真犯人”かもしれません。

ポイントだけじゃなくて、押す“方向”も大切!

トリガーポイントが見つかったら、さらに響く感覚のする方向がないか、指の位置をずらさずに方向を探してみましょう。

教えて反発の強い感覚のある方向ほど、痛気持ちいいような響く感覚を感じられるとおもいます。

症状別!トリガーポイント分布ポイント

ぼくの臨床上、この症状にはここにトリガーポイントがあることが多いなと感じる場所をピックアップします。

まずは、その付近から探してみるようにしましょう。

肩こり

  • 肩と首の間付近の少し後ろ側
  • 後頭部と首の付け根の少し外側
  • 鎖骨の下付近
  • 脇の後ろ
  • 肘の内側
  • 肘と手首の間の外側(肘寄り)
  • 親指と人指し指の間

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腰痛

  • 肋骨の下斜め後ろ
  • お尻のほっぺの奥
  • ももの内側(膝寄り)
  • 脚の付け根(股関節)の前側
  • 前もも外側
  • ふくらはぎ(中心・外側・内側)
  • お腹の奥(シックスパックの溝から指をいれて中心に)

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これだけは守って!セルフケアの注意点

セルフケアは手軽ですが、やり方を間違えると症状を悪化させることもあります。
以下の注意点を必ず守って、安全に行ってください。

  • 強すぎる刺激はNG: 痛みを感じるほど強く押すのは逆効果です。あくまで「痛気持ちいい」で留めましょう。痛く押すではなくて、痛く感じる所を押しましょう。
  • 長時間のやりすぎは避ける: 1箇所につき30秒〜1分程度を目安にしてください。長時間行うと、筋肉を傷つける可能性があります。
  • 痛みやしびれが悪化する場合はすぐに中止する: ケアの後に症状が強くなる場合は、その方法は合っていないか、専門家の診断が必要なサインです。
    無理せず、ご自身の体の声を聞きながら行うことが何よりも大切です。

セルフケアで改善しない…そんな時は専門家に相談しよう

我慢は禁物!専門家を頼るべきサイン

セルフケアは有効ですが、万能ではありません。
以下のようなサインが見られたら、自己判断で続けずに専門家に相談することをおすすめします。

  • セルフケアを1〜2週間続けても痛みが全く変わらない、または悪化する
  • じっとしていても眠れないほどの強い痛みがある
  • 手足に力が入らない、感覚が鈍いなどの麻痺症状がある
  • 転倒した後など、明らかな原因があって痛み出した
    これらの症状は、他の病気が隠れている可能性も考えられます。

どこに行けばいいの?症状別の相談先ガイド

専門家と言っても、どこを頼ればよいか迷うかもしれませんね。
症状や目的に合わせて、適切な相談先を選びましょう。

しびれがある・なにもしていなくても痛みが強い

神経の症状もでているため、まず、異常が本当にないのか病院で検査しましょう。
じっとしていも眠れないほどの強い痛みも、まずは、病院にいくべきです。

転倒した後など、明らかな原因がある

明らかな原因がある痛みは怪我として、接骨院で健康保険証を使ってみてもらうことができます。

自分でセルフケアするのは、基本NGです。

長期間悩んでいる・コリをどうにかしたい。

接骨院では、慢性的なコリは保険適用外ですが、痛みの原因がはっきりしない場合は、ご自身では気づいていない怪我が隠れている可能性を探るために、一度相談してみる価値はあります。

接骨院の自費メニューを受けるか、資格をもっている先生の整体院が選択肢になります。

一般的に、整体院は自費診療が中心のため、一回の施術に時間をかけて体全体のバランスを分析し、原因を探ることを得意とする院が多く見られます。
一方で、接骨院は保険診療の患者さんも多く対応するため、院によっては一人ひとりにかけられる時間が限られてしまう場合があることも、知っておくと良いでしょう。

整体に通ってもよくならない・姿勢改善もしたい

整体に通っていて、トリガーポイントのセルフケアをしてもあまり変化しない場合は、原因は他にある可能性が高いですよね。

そこでまず考えられるのは、姿勢や身体の動きの「クセ」が原因という可能性です。

姿勢改善も目的に含めると整体やトリガーポイントだけでは、改善はほぼ無理と考えてください。
姿勢を改善するためには、「良い姿勢になれる使い方」を覚えて、練習する習慣づくりが必要です。

当店が近ければ、当店が一番おすすめですし、近所になければ「機能改善トレーニング」や「ピラティス」を実施している整体院やスタジオを探すといいでしょう。

肩こり・腰痛の本当の原因は姿勢かも?良い姿勢と悪い姿勢の違いを解説

機能改善トレーニングとは?姿勢改善・転倒予防・慢性痛対策に効く運動法を解説

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まとめ

  • しつこい痛みは「トリガーポイント」が原因かも
     ただのコリとは違う、筋肉の“しこり”が痛みの引き金になっている可能性があります。
  • 痛む場所と原因の場所が違う「関連痛」が特徴
     肩が痛い原因が背中にあった、というように離れた場所に痛みを飛ばすのが最も厄介な特徴です。
  • セルフケアで改善しない場合は専門家へ相談
     テニスボールなどを使ったケアは有効ですが、症状が改善しない、または悪化する場合は我慢せず専門家を頼りましょう。

長年あなたを悩ませてきた、つらい痛みの正体が少し見えてきたのではないでしょうか。
原因が分かれば、対処法も見つかり、闇雲に不安がる必要はなくなります。

まずは今日から、この記事を参考に、ご自身の体とゆっくり向き合う時間を作ってみてください。