姿勢を意識してもなかなか習慣が続かない。
習慣が続かない悩みは意志力のせいではなく、脳のメカニズムによるものということはご存じですか?
この記事では、脳の防衛本能が新しい行動に抵抗を示す理由を解説し、スモールステップを活用した習慣化の具体的手法と姿勢が改善されるまでの期間をご紹介します。
「三日坊主」になりやすい理由
脳には現状維持を優先する「心理的ホメオスタシス(防衛本能)」が備わっています。
新しい習慣を始めようとすると、脳は「変化は危険」と判断し抵抗を示します。
そのため、意志が弱いと自分を責めてしまいがちですが、
まずは脳の性質を理解することが大切です。
小さなステップで脳の抵抗を軽減しましょう
大きな変化を一度に求めると脳の抵抗が強まります。
スモールステップ方式なら負担が少なく、成功体験を積み重ねやすいです。
サッカーのシュート練習を例に習慣化の変化を見てみましょう。
スポーツの場合
例えば、サッカーのシュートが上手くなりたい場合はシュートの練習をすることから始まります。
1日10本でも5本でもいいです。
行動の変化
毎日のシュート練習を繰り返していたおかげで、
毎日続けたという成功体験によって自己肯定感が高まります。
その結果、シュートの練習をすることが苦ではなくなり、
時間を増やしても平気になってきます。
身体や感覚の変化
毎日のシュート練習でボールのどこを蹴ればいいのか、
どのように足を振ればいいのか身体の感覚を理解できるようになってきます。
練習の質があがります。
脳の変化
さらに繰り返すことでフォームが自動化し、
無意識でも同じシュートを再現できるようになってきます。
この頃には、シュートに対する考え方も変わっていることでしょう。
変化を実感する3つのフェーズ
習慣は脳や身体に少しずつ定着していき、変化を実感します。
ここでは「動作」「感覚」「思考」の3段階に分けてご紹介しますね!
動作スムーズ実感フェーズ(約20〜90日)
新しい動作を毎日少しずつ繰り返すことで、タスクを「無意識でも実行できる」レベルに近づきます。
最初のうちは意識的に行う必要がありますが、続けるほどスムーズに実行できるようになります。
スマホのリマインダーや家事ルーティンに組み込むなど、トリガーを固定すると習慣化が加速します!
身体感覚実感フェーズ(約2〜6ヶ月)
繰り返した行動が「身体の感覚」として定着する段階です。
筋肉や神経回路が協調し、以前は意識していた動きが
自然にできるようになっていきます!
整体・ダイエット・姿勢改善などがこの頃から実感しやすくなります。
思考変化実感フェーズ(約6ヶ月~)
行動と身体の経験が思考のパターンにまで浸透する段階です。
「こうすればうまくいく」という判断が無意識に浮かび、
最適な行動を自動で選択できます。
「していないと違和感がある」
「続けていないと落ち着かない」
といった精神的定着が得られる段階でクセが完成する時期です。
挫折しやすい3つの期間
習慣化を進めるうえで、多くの方が思わず続けるのをやめたくなる“壁”があります。
ここでは代表的な3つのフェーズをご紹介しますね!
反発期
新しい習慣を始めて最初の1週間は、
「やっぱり自分には無理かも…」と感じやすい時期です。
脳が「変化はリスク」と判断して、強い抵抗感を示します。
この段階はスモールステップ(ごく小さな行動)で乗り切ると効果的です!
不安定期
反発期を抜けた後、
「昨日はできたのに今日は時間が取れなかった…」と波が出やすい時期です。
仕事や予定の変化に振り回されやすく、
ここで挫折してしまう人が全体の約4割に上ります。
パターン化や例外ルールをあらかじめ決めておくと安心です!
倦怠期
習慣がなんとなく身についてくるものの、
「同じことの繰り返しに飽きた…」と感じやすい時期です。
マンネリ化を防ぐために少し変化を加えたり、
次のステップを計画したりすると再びモチベーションが上がります!
姿勢改善はスポーツに似ている
今度は姿勢改善をはじめるとどのように変化を
実感できるかシュミレーションしてみましょう。
良い姿勢になれる身体の使い方を覚える
- 背中の使い方
▶広背筋とは?逆三角形ボディをつくる基礎知識と効かせ方 - 腹筋の使い方
▶腹筋は4つある?体幹を支える筋肉の役割と鍛え方
※背中と腹筋の使い方はキャット&カウでどちらも練習できます。
▶キャット&カウの正しいやり方を解説!姿勢改善に効く基本と進化版キャット&バード - 重心の取り方
▶前重心が不調のもと?『かかと重心』で姿勢改善&腰痛予防を目指そう!
動作スムーズ実感フェーズ
キャット&カウとかかと重心を実行。
感覚がわからなくてもまずは続けることを頑張る。
動作が苦じゃなくなったらプランクなど、少しレベルをあげて実行
▶プランクで“姿勢が整う感覚”を身につけよう!プランクのやり方を詳しく解説!
身体感覚実感フェーズ
続けてきたおかげで良い姿勢を作る感覚が、
「これかな?」のレベルから「これだ!」に変化して自信が持てるようになる。
感覚がわかるから自信を持ってさらに難しい種目にも取り組める。
肩こりや腰痛の感じ方にも変化を感じる。
思考変化実感フェーズ
複雑な動きも、「良い姿勢の感覚」を感じながらできるようになり、
脳のパターンが変化して身体の使い方が変化する。
無意識でも良い姿勢になるクセが完成する。
なんとなく、姿勢が良くなりそうなイメージができませんか?
習慣を身につければ、
良い姿勢に「なれる」から「過ごす」に変えることも夢ではありません!
▶「良い姿勢はつくるもの」──無意識を味方にする3ステップ意識トレーニング
継続を支える3つの鉄則(スモールステップ戦略)
習慣を定着させるためには、次のポイントを守りましょう。
- ハードルを極端に下げる
設定する目標は失敗することが難しいくらい、
小さく簡単なものにしてください。
「できそう!」と思えるハードル設定が大切です。 - 2日以上サボらない
連続性を保つことで脳の回路が途切れにくくなります。
「昨日やったから今日は絶対やる」と決めると効果的です。 - 達成をきちんと祝う
小さなゴールでも自己肯定感を高めましょう。
「できた!」という達成感が脳に良い刺激を与えます。
まとめ
- 脳の防衛本能が新習慣を妨げる
「心理的ホメオスタシス」により、変化には強い抵抗が生じる点をまず理解しよう! - 変化を実感する3フェーズ
動作スムーズ実感(20〜90日)→身体感覚実感(2〜6ヶ月)→思考変化実感(約6ヶ月)という段階を意識して進めよう! - 挫折しやすい3つの期間と対策
反発期(1週目)はスモールステップで、
不安定期(2〜3週目)はルール化で、
倦怠期(1ヶ月以降)は変化の導入で乗り越えよう!
継続には「小さく始める」「2日以上休まない」「達成を祝う」3つの鉄則が有効です。
まずは今日からワンアクションだけ決め、できたら自分をしっかり褒めてあげましょう!