ふくらはぎを何気なく押してみたら、思わず「痛っ!」と声が出てしまった、なんて経験はありませんか。
「これって何か悪い病気のサイン…?」と、急に不安な気持ちになりますよね。
大丈夫、その痛みを感じているのは、あなただけではないかもしれません。
この記事では、ふくらはぎが痛む本当の理由から、今日からすぐに試せる簡単なセルフケア、そして見逃してはいけない危険なサインまで、あなたのモヤモヤをスッキリ解消していきます。
なぜ?ふくらはぎが「押すと痛い」2つの大きな理由
そもそも、どうしてふくらはぎはこんなにも疲れやすく、痛みが出やすいのでしょうか。
それには、私たちの体を黙って支える”がんばり屋さん”だからこその、大切な理由があるのです。
理由①:血行不良のサイン!老廃物が溜まっているのかも
「第2の心臓」のポンプ機能がダウン?
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれているのをご存知ですか。
心臓から送り出された血液を、重力に逆らって再び心臓へ送り返す、力強いポンプの役割を担っています。
しかし、長時間のデスクワークや立ち仕事で筋肉が凝り固まると、このポンプ機能が低下し、血液や老廃物が足に溜まってしまうのです。
これが、むくみや痛みの大きな原因となります。
こんな人は要注意!血行不良セルフチェック
ご自身の生活習慣を少し振り返ってみましょう。
- □ 一日中座っているか、立っていることが多い
- □ 足先がいつも冷たいと感じる
- □ 夕方になると靴がきつく感じる
- □ 運動する習慣があまりない
- □ お風呂はシャワーで済ませがち
一つでも当てはまるようなら、ふくらはぎのポンプ機能が少しお疲れ気味のサインかもしれません。
理由②:あなたの「立ち方・歩き方」のクセが原因かも
つま先重心になってない?がんばりすぎの“カチカチふくらはぎ”
無意識のうちに、つま先側に体重をかけて立っていることはありませんか。
前のめりの姿勢や、ヒールの高い靴をよく履く方は、常にふくらはぎの筋肉が緊張している状態になりがちです。
この「がんばりすぎ」の状態が続くと、筋肉はカチカチに硬くなり、少し押しただけでも痛みを感じやすくなります。
また、脚も太く見えやすくなります。
▶足が太いのはなぜ?「足が太い…」と感じる時のチェックするポイントと対策方法を解説!
簡単10秒!あなたの重心タイプをチェックしてみよう
目を閉じて、その場で10回ほど足踏みをしてみましょう。
目を開けたとき、最初の位置からどれくらい動いていますか。
- 前に進んでいる方: つま先すぎ重心(ふくらはぎ酷使、猫背タイプ)の可能性が高いです。
- 後ろに下がっている方: かかとすぎ重心(すねや腰に負担がかかる反り腰タイプ)かもしれません。
- 左右にずれている方: 体の左右で重心のバランスが崩れているサインです。
ご自身の体のクセを知ることが、不調改善の第一歩になります。
その痛み、「むくみ」が原因かも?夕方パンパンになる脚の撃退法
痛みとセットで多くの方が悩んでいるのが「むくみ」。
ふくらはぎがパンパンに張って痛いのは、このむくみが直接的な原因かもしれません。
そのメカニズムと、すぐにできる解消法を見ていきましょう。
なぜ夕方になると足がむくむの?水分の正体とは
むくみの正体は、細胞の間に溜まった余分な水分や老廃物です。
重力の影響で水分は下半身に溜まりやすく、特にふくらはぎのポンプ機能が弱っていると、夕方にはパンパンの状態になってしまいます。
つまり、疲労が蓄積して筋肉が硬くなると、血行が悪くなり、むくみも痛みも発生しやすくなるというわけです。
むくみにサヨナラ!今日からできる簡単セルフケア3選
仕事の合間や寝る前のちょっとした時間で、溜まった疲れをリセットしましょう。
①座ったままOK!足首くるくる運動
- 椅子に浅めに座り、片足を少し浮かせます。
- つま先で大きな円を描くように、足首をゆっくりと回します。
- 内回し10回、外回し10回を、気持ち良いと感じるペースで行いましょう。
ふくらはぎの筋肉がしっかり動いているのを感じながら行うのがポイントです。
②痛気持ちいい!むくみ解消マッサージ

- 床や椅子に座り、片方の膝を立てます。
- 両手の親指を使い、足首から膝の裏に向かって、ふくらはぎの中心をゆっくりと押していきます。
- 「痛いけど気持ちいい」くらいの力加減で、数回繰り返しましょう。
滑りを良くするために、ボディクリームやオイルを使うのもおすすめです。
③寝る前の新習慣!足を高くしてリセット
- 仰向けに寝て、壁にお尻を近づけます。
- 両足を壁に沿って、まっすぐ上に上げます。
- この状態で5分から10分ほどリラックスしましょう。
足先に溜まった血液が心臓に戻りやすくなり、翌朝のすっきり感に繋がります。
むくみ予防には、良い姿勢にもなれるかかと重心(くるぶしの重心)もオススメです。
▶前重心が不調のもと?『かかと重心』で姿勢改善&腰痛予防を目指そう!
痛む場所でわかる体のサインと、今日からできる簡単セルフケア
ふくらはぎと一言でいっても、痛む場所によって原因の傾向が少し違うのです。
あなたの痛む場所はどこですか。
一緒に確認しながら、より効果的なケア方法を試してみましょう。
【内側が痛い人】もしかして「扁平足」や「内股」のサイン?
足の内側のアーチが崩れる扁平足の方や、歩くときに膝が内側に入る方は、ふくらはぎの内側に負担がかかりやすい傾向があります。
おすすめケア:足指グーパー運動&内側ストレッチ
- 足指グーパー運動: 床にタオルを広げ、足の指だけでたぐり寄せる運動や、足の指で力いっぱいグーとパーを繰り返す運動が効果的です。
- 内側ストレッチ: 正座の状態から片足だけを横に伸ばし、お尻をかかとの横に下ろして内ももからふくらはぎの内側をじんわり伸ばしましょう。
足裏のアーチを支える筋肉を鍛えることが、根本的な改善に繋がります。
【外側が痛い人】「O脚」や「ガニ股」で外側に負担が集中?
歩くときに足の外側に体重がかかるO脚やガニ股の方は、知らず知らずのうちにふくらはぎの外側の筋肉を酷使しています。
おすすめケア:お尻の筋肉ほぐし&外側ストレッチ
- お尻の筋肉ほぐし: テニスボールをお尻の外側あたりに敷いて座り、体重をかけながらゴロゴロと動かすと、関連する筋肉がほぐれます。
- 外側ストレッチ: 片足をもう片方の足の外側にクロスさせ、体をゆっくりと前に倒すと、ふくらはぎの外側が気持ちよく伸びます。
重心の偏りを整えるためには、お尻周りのケアが意外な近道になることもあります。
▶O脚の原因は骨盤と足首!?歩き方を変えるだけで脚のラインが変わる?
【真ん中(裏側)が痛い人】典型的な「使いすぎ」と「ヒールのせい」かも
スポーツや長時間の立ち仕事など、明らかな使いすぎで痛みが出やすいのが、ふくらはぎの真ん中です。
ヒールの高い靴も、この部分に集中的な負担をかけます。
おすすめケア:壁を使った王道アキレス腱伸ばし
- 壁の前に立ち、両手を壁につきます。
- 片足を大きく後ろに引き、かかとを床につけたまま、前の膝をゆっくり曲げていきます。
- ふくらはぎの真ん中からアキレス腱が伸びているのを感じながら、30秒ほどキープしましょう。
急に伸ばすのではなく、「じわーっ」と時間をかけて伸ばすのがコツです。
※ご紹介したセルフケアでも改善が見られない、あるいはご自身の体のクセを根本から見直したいと感じる方は、一度当店に相談してみるのもおすすめです。
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ちょっと待って!こんな痛みは要注意。見逃したくない危険なサイン
ほとんどのふくらはぎの痛みはセルフケアで改善が期待できますが、中には病気が隠れているケースもあります。
以下のリストに当てはまるものがないか、必ずチェックしてください。
これに当てはまったら病院へ!危険な痛みチェックリスト
セルフケアを始める前に、ご自身の症状を客観的に確認してみましょう。
- □ 何もしていないのにズキズキと痛む、夜も眠れないほど痛い
- □ 片足だけが異常にパンパンに腫れている、触ると熱を持っている
- □ 皮膚の色が赤っぽくなったり、紫色に変色したりしている
- □ 血管がコブのようにボコボコと浮き出ているのが見える
- □ 転んだわけでもないのに、歩けないほどの激痛がある
- □ 痛みと一緒に、しびれや感覚の麻痺を感じる
一つでも当てはまる場合は、自己判断せずに、すぐに医療機関を受診してください。
考えられる病気と、何科に行けばいい?
- 下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう): 足の血管がこぶのように浮き出る病気です。まずは血管外科や心臓血管外科を受診しましょう。
- 深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう): いわゆるエコノミークラス症候群。足の深い部分の静脈に血の塊ができる病気で、緊急性が高い場合もあります。循環器内科や血管外科が専門です。予防法は厚生労働省のHPでも確認できます。
- 坐骨神経痛(ざこつしんけいつう): 腰の問題が原因で、お尻から足にかけて痛みやしびれが出ます。整形外科を受診するのが一般的です。
- 肉離れ: スポーツなどで筋肉が断裂した状態です。強い痛みと腫れを伴い、歩行が困難になります。整形外科を受診しましょう。
※坐骨神経痛や肉離れの後遺症が治らない場合は、身体のクセによって変化しづらいかもしれません。急性期をすぎても気になる方は当店へご相談ください。
まとめ
- 痛みの主な原因は「血行不良」と「体のクセ」
ふくらはぎは血液を心臓に戻すポンプであり、疲労や姿勢の乱れで機能が低下すると痛みが出やすくなります。 - 「むくみ」はSOSサインのひとつ
夕方に足がパンパンになるのは、水分や老廃物が溜まっている証拠であり、痛みと密接に関係しています。 - 危険な痛みはすぐに病院へ
尋常ではない腫れや変色、しびれを伴う場合は、セルフケアで様子を見ずに医療機関を受診することが大切です。
ふくらはぎの痛みは、体が発する「少し休んでほしい」「体の使い方を見直してほしい」という大切なメッセージです。
まずはご自身の体の声に耳を傾け、なぜ痛みが出ているのかを考えることから始めてみましょう。
そして、今日ご紹介した簡単なケアを、ぜひ生活の一部に取り入れてみてください。
毎日少しずつ体をいたわることが、痛みのない快適な明日への一番の近道になります。
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