階段で膝の内側が痛い!変形性膝関節症の予防と痛みの改善法を専門家が解説

階段を上り下りするたびに、膝の内側がズキっと痛むことはありませんか?

もしかしたら年のせいかもと諦めかけている方も、原因を知れば対策ができます。

この記事では、身体の専門家が階段での膝の痛みの原因と、今日からご自身でできる簡単なセルフケア方法を分かりやすく解説します。

その膝の痛み、階段の上り?下り?あなたの悩みの原因を探ります

階段での膝の痛み、特に膝の内側に痛みを感じる方はとても多いです。

階段を上っている時に痛いか、下っている時に痛いかで痛みの原因と対策方法が少し変わってきます。

あなたの「膝の痛み」が「階段」でなぜ起こるのか、一緒に見ていきましょう。

階段で膝が痛むのはなぜ?考えられる主な原因

最も多い原因は「変形性膝関節症」の始まりかも

40代以降の膝の痛み、特に階段で膝の内側が痛む場合、多くは「変形性膝関節症」が関係しています。

これは、長年の負担によって膝のクッションである軟骨がすり減り始めることで、骨に負担がかかり痛みが出やすくなる状態です。

初期の段階では、動かし始めや特定の動作だけで痛みを感じることが特徴です。

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膝を支える「大腿四頭筋」の筋力低下

階段の上り下りでは、太ももの前の筋肉、いわゆる「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」が重要な役割を果たします。

この筋力が落ちると、ブレーキが効かなくなり膝がグラグラと不安定になります。

その結果、関節や軟骨に直接負担がかかり、痛みに繋がってしまうのです。

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体重の増加と身体の使い方のクセ

体重が1kg増えると、階段を上り下りする際には膝にその数倍の負担がかかると言われています。

また、自分では気づきにくい股関節や足首の硬さといった「身体の使い方のクセ」も原因の一つです。

これらのクセが、無意識のうちに膝への負担を増やしていることは少なくありません。

【シーン別】上りと下り、あなたの膝の痛みはどっち?

階段を「上る時」に痛い場合:太ももの前の筋肉が悲鳴を上げているサイン

「上る」という動作は、重力に逆らって自分の身体を持ち上げるため、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)をたくさん使います。

この筋肉が硬くなっていたり、筋力が不足していたりすると、膝のお皿(膝蓋骨)周辺に大きな負担がかかります。

これが、上る時の痛みの主な原因です。

反対の筋肉、ハムストリングを使う身体の使い方を覚えることで、前ももの負担を軽減できます。

階段を「下りる時」に痛い場合:着地の衝撃を吸収できていないサイン

「下りる」という動作では、着地の衝撃をコントロールするために、太ももの前の筋肉がブレーキ役として働きます。

このブレーキ機能が弱っていると、ドンという衝撃が吸収されずに直接膝関節に伝わってしまいます。

その結果、関節の内側にストレスがかかり、痛みが出やすくなるのです。

片足のバランスが上手になることで、身体のコントロールが上手になり、ブレーキに頼らず階段を下れるようになります。

階段での膝の痛みを改善するセルフケア

階段を上っても、下っても膝の痛みには大腿四頭筋が大きく関係します。

上記は大腿四頭筋に負担をかけない方法でしたが、負担のかかった大腿四頭筋をケアする方法もご紹介します。

【ストレッチ編】太もも周りの筋肉をほぐして膝の負担を軽減

膝の痛みの予防と改善の第一歩は、硬くなった筋肉をほぐすことです。

特に負担のかかりやすい大腿四頭筋を中心に、安全なストレッチ方法を紹介します。

  1. 壁や椅子の横に立ち、片手で支えます。
  2. 片方の足首を持ち、かかとをお尻にゆっくりと近づけます。
  3. 太ももの前側が気持ちよく伸びるところで20秒キープします。
  4. 反対側の足も同様に行いましょう。

痛みを感じる場合は無理をせず、気持ちの良い範囲で行うのがポイントです。

【筋トレ編】膝の安定性を高める簡単トレーニング

変形性膝関節症の予防には、膝を支える筋力をつけることが不可欠です。

自宅で簡単にできるお尻と内ももの筋力トレーニングで、安定した膝を目指しましょう。

  1. 横向きに寝て、下の脚は軽く曲げ、上の脚はまっすぐ伸ばします。
  2. かかとを少し天井に向けるように意識しながら、上の脚をゆっくりと持ち上げます。
  3. お尻の横側に力が入るのを感じながら、10回繰り返します。
  4. 反対側も同様に行いましょう。

身体が前後に倒れないように、手で床を支えると安定しやすくなります。

お尻の筋肉を鍛えることで拮抗筋の相反抑制という作用によって、鍛えながら前ももの筋肉を緩めることができます。

【動作改善編】膝の内側が痛くならない!正しい階段の上り下り

「上りは良い足から、下りは痛い足から」という原則を聞いたことはありますか?

これは、膝に負担をかけないための基本的な動作です。

手すりを上手に使いながら、一歩一歩、足の裏全体で着地するように意識すると、さらに衝撃を和らげることができます。

変形性膝関節症の予防

変形性膝関節症の多くは、ガニ股のように足を外に開くクセにあります。

このクセで、使い続けると骨がだんだんと変形してしまい、内側の膝の骨がぶつかりあって痛みが生じる状態になってしまいます。

これを予防するためには、つま先側に体重をかけたり、骨盤を前に突き出してしまう頻度をさげるために、くるぶしに重心を乗せる「かかとバランス」を練習しましょう。

重心が前に偏ったままだと、運動連鎖という身体の作用で足を外に開きやすくなり、それが変形性膝関節症につながってしまう場合があります。

セルフケアでも痛みが続くなら、専門家への相談を

その膝の痛み、放置するリスクと専門家による評価の重要性

セルフケアはとても有効ですが、痛みが続いたり強くなったりする場合は注意が必要です。

自己判断でケアを続けることで、かえって症状を悪化させてしまうケースもあります。

痛みの本当の原因を見つけ、悪化させないためにも、一度専門家による正確な評価を受けることが大切です。

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姿勢改善Studioきずな日暮里:あなたの膝の痛みに根本から向き合います

当院は、整体とパーソナルトレーニングを組み合わせた施設です。

痛む膝だけを見るのではなく、全身のバランスや身体の使い方のクセから、痛みの根本原因を特定します。

あなたに合わせた最適なプランで「変形性膝関節症の予防」と改善を全力でサポートします。

まとめ

  • 階段での膝の痛みは、変形性膝関節症や筋力低下が主な原因です。
    特に太ももの前の筋肉が弱ると、膝が不安定になり痛みが出やすくなります。
  • 上りと下りでは、膝への負担のかかり方が異なります。
    それぞれのシーンに合わせた原因を知ることが、改善への第一歩です。
  • セルフケアは、ストレッチと簡単な筋トレから始めましょう。
    正しい身体の使い方を意識するだけでも、膝への負担は大きく変わります。

今回ご紹介したセルフケアを試しても、なかなか痛みが改善しないこともあるかもしれません。

それは、あなたの身体のクセや痛みの原因が、もっと別の場所にあるサインです。

一人で悩まず、ぜひ一度、私たち専門家にご相談ください。

あなたの身体の状態をしっかりと見極め、快適な毎日を取り戻すお手伝いをさせていただきます。