その腰痛・ぽっこりお腹、原因は「腹圧」かも?腹圧について詳しく解説!

何をしても良くならない、そのつらい腰痛に悩んでいませんか?
実はその原因、体の意外なところにあるのかもしれません。

この記事では、体を支える要である「腹圧」の基本を、わかりやすく解説していきます。

そもそも「腹圧」って一体なに?

「腹圧」の正体は、お腹の中の風船のような圧力

お腹の中には、風船のように膨らませることができる空間があると考えてみてください。
この空間を、内側からパンッと均等に張る力のことを「腹圧」と呼びます。
腹腔内圧(ふくくうないあつ)とも言われ、体を安定させるために欠かせない圧力なのです。

天然のコルセット?腹圧が体を支える仕組み

腹圧が高まると、体の中から幹がしっかりして、まるで天然のコルセットのようになります。
この力が、背骨や腰をあらゆる方向から支え、安定させる重要な役割を担っているのです。
外側の筋肉だけでなく、内側からの支えがとても大切になります。

体幹を安定させる4つのインナーマッスル

腹圧は、主に4つのインナーマッスル(深層筋)が連動することで作られます。
上は呼吸で使う「横隔膜」、下は骨盤の底にある「骨盤底筋群」。
そして、お腹をコルセットのように覆う「腹横筋」と、背骨を支える「多裂筋」です。
一般的に、この4つの筋肉で作られた空間を「コア」と表現されます。

日常のこんな動作も腹圧がサポートしている

重い物を持ち上げるときや、勢いよく立ち上がるとき、私たちは無意識に腹圧を使っています。
咳やくしゃみをする瞬間に、グッとお腹に力が入るのも腹圧のおかげです。
この力がなければ、日常の何気ない動作で腰を痛めやすくなってしまいます。

なぜ大切なの?腹圧がもたらす3つのスゴい効果

効果1:腰への負担を劇的に軽減!つらい腰痛を予防・改善

腹圧がしっかりかかっていると、腰椎(腰の骨)にかかる負担が分散されます。
上半身の重みを腰だけで支えるのではなく、腹圧がクッションのように受け止めてくれるのです。
これが、慢性的な腰痛の予防や改善につながる大きなポイントです。

効果2:内側から背骨をサポート!美しい姿勢の土台を作る

細長い風船をイメージしてみてください。
風船のゴムが「コア」を作るインナーマッスルで、中の空気が「腹圧」です。
空気がパンッと入って初めて風船が自立するように、腹圧が姿勢の土台を作ります。

効果3:キュッと引き締め!ぽっこりお腹の解消へ

腹圧だけが強くても、理想的とは言えません。
コアの筋力が低下すると、内臓を本来の位置で支える力が弱まってしまいます。
その結果、腹圧が内臓を下へと押し下げてしまうことが、ぽっこりお腹の原因の一つになるのです。

あなたの腹圧は大丈夫?自宅でできる簡単セルフチェック

チェック1:呼吸でわかるお腹の動き

仰向けに寝て、膝を軽く立て、お腹に手を当ててみましょう。
リラックスして息を吸ったときにお腹が自然に膨らみ、吐いたときにへこむか確認してみてください。
もし胸ばかりが動いたり、お腹の動きが感じにくかったりする場合は、うまく腹圧が使えていないかもしれません。

チェック2:お腹をへこませてキープできる?

息をゆっくり吐きながら、おへそを背骨に近づけるイメージでお腹を薄くしていきます。
その状態のまま、浅い呼吸をしながら10秒ほどキープできますか?
もし息が苦しくなったり、肩や首に力が入ってしまったりする方は、腹圧をコントロールする筋肉が弱っている可能性があります。

こんなサインは腹圧低下の証拠かも

日常生活の中にも、腹圧が低下しているサインが隠れていることがあります。
いくつか心当たりがないか、チェックしてみましょう。

  • 猫背になりやすい
  • 長時間立っているのがつらい
  • くしゃみや咳で、尿が少し漏れてしまうことがある
  • イスから立ち上がるときに「よっこいしょ」と声が出る

これらのサインに心当たりがある方は、腹圧がうまく機能していないのかもしれません。
ですが、ご安心ください、腹圧はトレーニングで高めていくことができます。

腹圧を高めるオススメトレーニング

腹圧を高めるには、特別なマシンや難しい運動は必要ありません。
風船の例えで言うなら、ゴム自体を強くするトレーニングと、送る空気を増やすトレーニングの両方が必要です。

コアトレーニングって何?その秘密と「効かせる」感覚を徹底解説!

まずは、すべての基本となる呼吸法「ドローイン」から試してみるのが良いでしょう。
詳しいやり方や他のトレーニングについては、それぞれの記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

まとめ

  • 腹圧は体を内側から支える天然のコルセットです。
     腰や背骨を安定させ、正しい姿勢を保つための大切な土台となります。
  • 腹圧とそれを支えるコアの筋力はセットで考えることが重要です。
     筋力が低下すると腹圧が正しく機能せず、ぽっこりお腹などの不調につながります。
  • 正しい呼吸法と体幹を支えるトレーニングをバランス良く行いましょう。
     風船の例えのように、空気(呼吸)とゴム(筋肉)の両方を鍛えることが近道です。

「腹圧」と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、決して特別なものではありません。 自分の体の仕組みを少し知るだけで、日々の生活はもっと快適になります。

まずは今日の呼吸から、少しだけお腹の動きを意識してみてください。
正しく腹圧を扱えるように練習したい方はぜひ当店にご相談くださいね。
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参考文献

  • 畠山 和利, 松永 俊樹, 巌見 武裕, 大高 稿兵, 佐々木 研, 佐藤 峰善, 渡邉 基起, 髙橋 祐介, 島田 洋一「腹腔内圧が体幹安定性に及ぼす影響」日本理学療法士協会(2015)
  • Hodges, P. W., & Richardson, C. A.『Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain: a motor control evaluation of transversus abdominis』Spine(1996年)