「腹筋が弱いと姿勢が崩れる」そう感じている方は多いはず。
ところが、ただクランチを重ねても“体幹が安定しない”と悩む声が絶えません。
じつは鍵を握るのが呼吸。
横隔膜を正しく動かし、腹圧をコントロールすれば、日常動作で自然にコアが働きます。
「呼吸で腹筋を鍛えるなんて本当にできるの?」
そんな疑問に答えつつ、ドローインからブレーシング、応用エクササイズまで体系的に整理しました。
記事内のリンクで詳しい解説ページへ飛べるので、まずは全体像をつかんでください。
そもそも体幹とは?体幹について知りたい方はこちらの記事で解説しています。
▶体幹トレーニングのメリットと注意点!姿勢改善・疲れにくい体づくりの基本とは?
「呼吸で腹筋が強くなるの?」まずは仕組みを知ろう
体幹がグラつく原因は“浅い呼吸”かも
浅い胸式呼吸では肋骨が上がり、腹腔内圧が上がりません。
腹圧が不足すると脊柱を支える内側の筋肉が働きづらくなり、反り腰や猫背を招きます。
「姿勢が決まらない…」と感じる方は、筋力より呼吸パターンを見直す価値があります。
横隔膜と腹筋はシリンダーの上下関係
横隔膜が下がると腹腔が押し広げられ、腹圧が自然に高まります。
この圧力を前後左右で受け止めるのが腹横筋・多裂筋・骨盤底筋。
上下方向の協調が取れるほど、胴体全体が“空気入りタイヤ”のように安定します。
詳しい解剖と姿勢への影響は▶横隔膜で姿勢が変わる!仕組みと呼吸トレーニングで体幹安定で深掘りしています。
呼吸筋は“持久系インナーマッスル”
横隔膜は遅筋線維が豊富で、姿勢保持に向いた筋肉です。
高重量トレーニングより、日常動作のたびに小さく使い続けることが強化の近道。
その第一歩がドローインで呼気を使い切る練習です。
まずはドローインで呼吸と腹筋をつなげよう
ドローインってどんな種目?
息を吐き切り、おへそを背骨へ引き寄せながら腹横筋を締める基本ドリルです。
「お腹をぺったんこにする感覚」をつかむことで、コルセットのように腰を守ります。
やり方の詳細は▶ドローインはもう意味ない?時代遅れと言われる理由と本当の効果を徹底解説!
おうちで出来るドローインの手順
- 仰向けか四つ這いでスタート。
- 鼻から軽く吸い、口から細く長く吐き切る。
- へそを背骨へ近づけ、お腹全周が締まる感覚で5秒キープ。
- 3〜5呼吸×2〜3セット。
よくある失敗と修正ポイント
肋骨がすぼまないと腹横筋の締まりが弱くなります。
吐く息を指先で感じるよう、フッと吹き矢を放つイメージを追加してください。
腰が反る場合は膝を立て、骨盤をニュートラルに戻してから再チャレンジ。
ブレーシングで“動ける腹圧”を手に入れる
ドローインとの違いは“張る”感覚
ブレーシングはお腹を凹ませず、全方向へ均等に張るテクニック。
ウェイトベルトを押し返すように息を詰め、短時間で高い腹圧を作ります。
パワー系種目や重い荷物を持つシーンで役立つため、日常生活でも実用性大。
ブレーシング実践ステップ
- 軽く息を吸い、下腹を360°に膨らませる。
- 声を出さずに「ッ」と止め、外側へ押し返す圧を感じる。
- 3〜5秒キープ→素早く解放。
- デッドリフトやスクワットなど高負荷動作の直前にセット。
パワーベルトを巻くときの注意点
腹圧でベルトを“押す”ことが目的。
体幹が安定するため、腰痛のリスクを下げることができ、力が入りやすくなるため高重量の扱う際のサポートになります。
ギリギリ巻ききらず、指1本入るゆとりを残してください。
▶【体幹トレーニングの基本】ドローインとブレーシングの違いとは?正しいやり方と応用まで完全解説!
呼吸トレを深める3つの応用メソッド
HRVを高めるリカバリー呼吸
ゆっくり5秒吸って5秒吐くペースで副交感神経を優位に。
心拍変動(HRV)が上がり、睡眠の質や慢性痛の軽減に寄与します。
仕組みは▶呼吸でHRVを上げる ― 自律神経の整え方で科学的に解説。
骨盤底筋との同期で“下から支える”
吐く息に合わせて肛門付近をそっと引き上げると、腹横筋との連動が高まります。
産前産後の体幹リハにも効果的。
より詳しいやり方は▶骨盤底筋と呼吸の連動性 ― 姿勢&産後を支えるリフトトレーニングを参照。
壁呼吸・風船・ストローの呼吸のエクササイズ
姿勢を整えながら呼吸筋を鍛える3種のエクササイズを紹介。
▶壁・風船・ストローで横隔膜が目覚める!呼吸エクササイズ3選とやり方ガイド
まとめ
- 呼吸で腹圧をコントロールすると、腹筋群が“24時間働くコア”に変わる
- ドローインは基礎づくり、ブレーシングは高負荷時の瞬発的な安定に最適
- HRVや骨盤底筋との連動まで視野に入れると、姿勢とパフォーマンスが同時に向上
呼吸は「回数無制限の無料トレーニング」。
今日の呼吸を変えれば、明日の姿勢が変わります。
まずはドローインから──詳しい手順はリンク先をチェックし、さっそく試してみてください。
▶ドローインはもう意味ない?時代遅れと言われる理由と本当の効果を徹底解説!