腹筋は4つある?体幹を支える筋肉の役割と鍛え方

「腹筋=シックスパック」だと思っていませんか?
実はそれ、腹筋のほんの一部なんです。
腹筋には4つの筋肉があって、それぞれが体幹をしっかり支えるために大事な役割を担っています。
見た目だけじゃなく、動きやすく疲れにくい身体をつくるには、全部の腹筋をちゃんと使えることが重要です。
今回は、「体幹って結局なに?」「どうやって鍛えればいいの?」という疑問にも触れながら、腹筋と体幹の関係を丁寧に解説していきます。

腹筋は4つの筋肉から構成されている

※参考図にある「錐体筋」は、腹直筋の下部に位置する補助的な筋肉です。
人によっては存在しない場合もあり、体幹の安定に関わる主な腹筋には含まれません。

腹直筋:シックスパックでおなじみ

いわゆる腹筋と聞いて真っ先に思い浮かぶのがこの腹直筋です。
お腹の正面にあり、上体を起こすときに主に使われます。いわゆるシットアップやクランチのときに働く筋肉です。

ただし、腹直筋だけを鍛えても体幹全体の安定にはつながりません。
姿勢を保つ、動きをコントロールするには、もっと深いところまで使いこなす必要があります。

外腹斜筋・内腹斜筋:ねじる動きの要

体をひねるときに活躍するのが、左右にある斜めの筋肉たちです。
外腹斜筋は表層、内腹斜筋はその内側にあって、両方セットで動きに関与します。

これらの筋肉は単に動きを生み出すだけでなく、動作中のバランスを保つ役割もあります。
どちらか一方だけでなく、連動して使えることが大切です。

腹横筋:お腹の奥のコルセット

腹筋の中でもっとも深い場所にあるのが腹横筋です。
肋骨から骨盤にかけて横に走っていて、内臓を包むようなつくりになっています。

この筋肉は、腹圧を高めて腰や背骨を内側から支えてくれる存在です。
鍛えるとお腹がへこむだけでなく、自然と姿勢が安定して腰の負担が軽くなる感覚が出てきます。

腹筋と体幹の関係を知ろう

体幹ってどこ?何のためにあるの?

体幹というと曖昧に聞こえるかもしれませんが、要するに「頭・手足を除いた胴体全体」です。
背骨、肋骨、骨盤、そしてその周囲の筋肉群が含まれます。

体幹が安定すると、動きがスムーズになり、無駄な力みやブレが減ります。
腹筋はこの体幹を内側から支える土台のような役割を持っているのです。

腹筋が働くと体の軸がしっかりする

歩く・立ち上がる・持ち上げるといった日常の動作でも、体幹は常に働いています。
腹筋がしっかり使えると、こうした動きの“軸”が安定し、動作がスムーズになります。

とくに腹横筋や腹斜筋が正しく働くことで、骨盤や背骨の位置が整いやすくなります。
体の中心が安定している感覚を持てると、疲れにくくケガもしにくくなります。

腹筋を鍛えるとこんなメリットがある

姿勢が整って、腰の不安が減る

腹筋が機能してくると、骨格の位置が安定して姿勢が自然と整いやすくなります。
とくに腹横筋が使えると、骨盤や腰椎の前後バランスが取りやすくなります。

結果的に、腰にかかるストレスが減り、慢性的な腰の重さやだるさが楽になる人も多いです。
姿勢が良くなることで、見た目の印象も変わります。

トレーニング効率や代謝もアップ

体幹がしっかりしていると、手足の筋肉が本来の動きをしやすくなります。
そのぶんパフォーマンスが上がり、無駄な疲れも感じにくくなります。

さらに、インナーマッスルの活動量が増えることで、基礎代謝もじわじわ上がってきます。
見た目の変化に加えて、体調や疲れ方にも変化を感じる人も多いです。

腹筋をうまく鍛えるには?

筋肉ごとにトレーニングを変える

腹筋は4つあります。それぞれの筋肉に合ったトレーニングを選ぶのがコツです。
腹直筋にはクランチや腹筋ローラー、腹斜筋にはツイスト系、腹横筋にはドローインやブレーシングなどが効果的です。

とくに腹横筋のトレーニングは地味ですが、体幹の支えとしては非常に重要です。
どれか一つに偏らず、まんべんなく鍛えるよう意識しましょう。

腹筋ローラーの使い方ガイド 初心者~中級者向けの正しいフォームとコツ

【体幹トレーニングの基本】ドローインとブレーシングの違いとは?正しいやり方と応用まで完全解説!

呼吸をうまく使うと効きやすい

腹筋、とくに腹横筋は「呼吸」と強く関係しています。
お腹を締めてから、息を吐くと腹筋の効かせる感覚がわかりやすいと思います。

トレーニング中に息を止めてしまう方もいますが、腹筋をうまく使えないまま腹圧がかかってしまいます。
呼吸と動作を合わせるだけで、効かせ方がグッと変わってきます。

効かせる感覚を言語化!筋トレの効かせるってどんな感覚?

腹筋トレーニングの注意点

腰を痛めないフォームを心がけて

腹筋を鍛えるつもりが、腰を反らせすぎて痛めるケースは意外と多いです。
腹直筋だけに頼らず、骨盤の角度や背骨のカーブを意識することがポイントです。

大きく動かすよりも「正しい位置で効かせる」ことを優先してください。
最初は鏡でフォームを確認するか、動画を撮ってチェックすると安心です。

深層筋は“効かせ方”がすべて

腹横筋や内腹斜筋などのインナーマッスルは、動いている実感が薄いのが難点です。
でも、使えていないと体幹は安定しません。

腹圧を保つ感覚、骨盤底筋と連動させる意識など、ちょっとしたコツが必要になります。
独学で難しい場合は、専門家のサポートを受けるのもひとつの選択です。

まとめ

  • 腹筋は4つの筋肉で構成され、それぞれが体幹の安定に欠かせない
  • 姿勢改善や腰痛予防、パフォーマンス向上など、見た目以上のメリットがある
  • 鍛え方や効かせ方を意識することで、体の内側から変化を感じられる

腹筋は「割るため」だけの筋肉ではありません。
体の土台として、しっかり使える状態に整えることが第一歩です。
今日から少しずつ、自分の腹筋との付き合い方を見直してみませんか?